みるきぃ★ファームへようこそ
リンダは本気でそう、考えました。普通の食事をすれば絶対年相応の体形になるし顔色だって、性格だって変わるかもしれない、そう考えて、彼女は南に強く朝食に顔を出す様に促しました。

「だから、おれは滅菌された物しか食わないんだって言ってるだろ」

「あんな、昔の宇宙食みたいなものばっかし食べてるから、そんなにひょろひょろで、顔色も悪いのよ。いい、あんたは今日、この仕事が終わったら、母屋の台所に来るの、そして、あたし達と一緒に自然で出来た物を食べるの、良い?分った!」

リンダはそう言って、びしっと南を指差して見せましたが、彼はそれを避ける様に小首を傾げ、心の底から嫌そうに、たった一言、こう言いました。

「断る……」

何なんだこいつは、其処まで神経質になるってのは、体じゃぁ無くて、心が病んでるんじゃぁ無いか?リンダは心の中で力いっぱいそう叫びました。こいつ、本当に老い先短いのではないかと言う素朴な不安に襲われました。
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