みるきぃ★ファームへようこそ

ぴぴぴ……

停留所の案内板からアラーム音がして、間も無くバスが来る事を告げます。

今日は10分遅れでの到着です。

南には、それが許せませんでした。

交通公共機関の乗り物は定刻に1分遅れただけで地球ではニュースになるのに、10分も遅れるなど言語道断の話です。

これは事故に値する遅れです。記者会見物して事情説明するべき程の問題です。しかしリンダは……

「今日は意外に早かったね」

そう言って南に向かってにっこりと微笑みを返します。南はそれを見て此処が地球で無い事を、改めて認識しました。

二人はバスに乗り込んで、一番後ろの席に並んで座りました。

リンダは買い物の作戦を立てるのに忙しく、南は久しぶりに都会に出られると安堵の表情を浮かべました。リンダは、その南の表情を見てちょっと、むかっと来ています。

「なによ、街に出られるのが、そんなに嬉しいの」

南はバスの車窓を眺めながら「ああ……」と一言言っただけ。こんな処で暮らしている自分の事が信じられないと言う表情でした。
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