みるきぃ★ファームへようこそ
リンダはボスと一緒に走り出しました。 

そして丁度バスが到着して居るのが見て取れました。

そこから一人、誰かが下て来るのが分ります。

リンダは、ちょっと緊張して、一瞬足を止め、バス停の様子を伺います。

そこには細身の男の子と思われる人物が、ぽつんと佇んでいました。

リンダは急いで其処に走り寄ると……


「あ、あの!」


と言いながら微笑み、彼に向かって声をかけて見ました。

しかし、彼はリンダと視線を合わせる事無く、この星の感想をバッサリと切って捨てました。

「こんな田舎だとは思わなかったよ」

茶色のショートカットで少しきつめの黒い瞳。

背は170センチを超えて居ると思われますが、それにしては痩せすぎじゃぁ無いかと思える彼は、Tシャツにジーンズにスニーカーと言うラフな格好。

荷物はディーバッグ一個だけと言う井出達です。


『――い…田舎って』


否定できない自分がちょっと悔しいリンダでした。

「街は何処だ、此処から遠いのか。この際ビジネスホテルで良いから紹介してくれないか。こんな田舎町じゃ暮らすに暮らせん。携帯も圏外なんじゃないのか?」
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