第一話 縁結び神社
もしや、この推測が当たっているとしたら、亜希美と犯人は一緒に居るはずだ。携帯も取り上げられ、何処かで拉致されている。 私は震える手でギアをドライブに入れた。しかし、車は発車しなかった。
私は、シ―トに背中を付け、遠くの空をボンヤリと見た。
亜希美と犯人の縁が結ばれた・・・・
きっとそうだ。それ以外には考えられない。
もしも、私が自分の金を犯人に差し出したとして、その後の展開はどうなるのだろうか。亜希美は助かり、私に深い感謝をするだろうか。いや、そんな事はしないだろう。それよりも、そんな少ない額しかお金を持っていないのかと、あの時と同じような顔で失笑するに決まっている。
憎たらしい顔。私はこのまま無視をしようと考えた。だが、亜希美の携帯には今の履歴が記録されている。このまま私が無視をしたとして、どうなるのか。
いずれ、亜希美や警察からは問われる事になるだろう。フロントガラス越しにゆっくりと流れる雲をボンヤリと眺めた。
「そうだ」
これだったらどうだろうか。お金を用意した後、それを伝えるべく、亜希美の携帯に電話しようとした。しかし、運悪く私の携帯の充電が切れていた。亜希美の番号は携帯が無いと分からない。それで慌てふためいた私は警察へと駆け込んだ。何故、家に充電しに帰らなかったのかと問われたら、慌てた私には警察の事しか浮かばなかったと言おう。それにはとにかく、ATMに行かなければ。防犯カメラに私だとハッキリ映るように注意しよう。
私は、シ―トに背中を付け、遠くの空をボンヤリと見た。
亜希美と犯人の縁が結ばれた・・・・
きっとそうだ。それ以外には考えられない。
もしも、私が自分の金を犯人に差し出したとして、その後の展開はどうなるのだろうか。亜希美は助かり、私に深い感謝をするだろうか。いや、そんな事はしないだろう。それよりも、そんな少ない額しかお金を持っていないのかと、あの時と同じような顔で失笑するに決まっている。
憎たらしい顔。私はこのまま無視をしようと考えた。だが、亜希美の携帯には今の履歴が記録されている。このまま私が無視をしたとして、どうなるのか。
いずれ、亜希美や警察からは問われる事になるだろう。フロントガラス越しにゆっくりと流れる雲をボンヤリと眺めた。
「そうだ」
これだったらどうだろうか。お金を用意した後、それを伝えるべく、亜希美の携帯に電話しようとした。しかし、運悪く私の携帯の充電が切れていた。亜希美の番号は携帯が無いと分からない。それで慌てふためいた私は警察へと駆け込んだ。何故、家に充電しに帰らなかったのかと問われたら、慌てた私には警察の事しか浮かばなかったと言おう。それにはとにかく、ATMに行かなければ。防犯カメラに私だとハッキリ映るように注意しよう。