魔法トラブル
行くしかないじゃん!
「ヒック…」
誰?
そこにいたのはあのときのおっさん。
「父さん。また、酒を飲んだの?」
ショウがおっさんに駆け寄る。
父さんって呼んだ?
……ショウと私は姉弟。
ショウの父さんは私の父さん!?
「お~。ルイ、久しぶり…ヒック」
こんな人が……
あり得ない。
「おばあさまがお前を引き取れと言われ た」
「おばあさま?ってタマおばあさまのこ と?」
「あぁ…ヒック」
引き取れってもう魔法界に帰るなってこ と?
「使命を達成するまでの間だけだけどな」
なんだ、よかった。
「ヒック」
本当に私の父さんなのかな?
ちょっとイメージと全然違う。
もっと紳士的な人かと思ったのに。
なんか残念。
「使命はショウと一緒に行ってもらうから な?」
「……」
こいつと一緒?
父が魔法使いだとしたらこいつも魔法使い なのよね?
「あんたって魔法使えんの?」
「魔法?使えないよ」
使えない?
嘘でしょ?
これじゃあ私と一緒に使命をはたすことは できないわ。
「でも式神を使えるよ」
ショウは笑顔で答えた。
魔法使いの子供が式神を使えるなんて。
うぅん。
強い式神を使えなきゃ意味がないわ。
「ヒック。もう、行けよ」
「言われなくても行くわよ。ショウ、行く わよ」
「おう…」
気合いを入れすぎて、ショウは驚いてい た。
そんなの気にしないけどね。
「ショウ。あなたの力、拝見させていただ くわ」
私はショウの後ろへと歩いた。
「いいよ♪」
ショウは笑って紙を出す。
見えない敵紙を飛ばす。
人間には見えない敵と私たちは戦う。
これが使命。