『一生のお願い、聞いてよ。』


「あの…」


昨日のこと、謝らなきゃ…


「昨日…」

勇治『なに』



勇治の冷たい言葉に、あたしの心は簡単に折れた。



「昨日真央といたでしょ!!」


違う。



勇治『え』


「あたし、見かけたんだよね!」



違う。




勇治『…………』

「真央、勇治のこと好きなんだってね!」



こんなことを言いたいんじゃない。



勇治『…………』


「勇治もあたしのどこが好きか分からないんだってね!!」


勇治『それは』


「真央と付き合えば?!あたし、勇治のこともう好きじゃないの!冷めた!別れよ!!」



勇治『…………』



こんなことを言いたいんじゃない。

勇治、違うの。

何か答えてよ。

嫌だって言ってよ。




ねぇ、勇治…







『…分かった』



< 107 / 159 >

この作品をシェア

pagetop