『一生のお願い、聞いてよ。』


先生が車を運転する。

肘おきに置かれた腕、がっしりとした首筋にほんのちょっと、ドキッとした。

でも、大して気にするほどのことでもない。




カラオケについて、受付を済ませて部屋に入った。



「あたしから歌うねー!」


何を歌ったかは覚えてないけど、その時流行ってた歌を歌った。


正直歌には自信があった。


先生誉めてくれるかな?なんて思ったけど、先生は一生懸命自分が歌う歌を探してた。


期待するだけ無駄だなって思った。



歌が終わって、先生の番。


曲は、MONGOL800の『小さな恋の歌』


「意外とモンパチとか歌うんだー」

先生『まあね(笑)』



下手くそ!!!って言いたかったけど、普通に上手かった。


心で舌打ちをした。


何曲か歌っているうちに、お腹が空いてきた。



「先生お腹すいたー」

先生『何か頼む?』


先生はテーブルの上に置いてあったメニューを広げた。



「んとねー、ポテトとー、ピザ!」

先生『はいはい(笑)』


先生は電話で注文をして、タバコに火をつけた。



「あ、先生!ジュースも」

先生『何がいいんだよ(笑)』

「んー、コーラ!」

先生『はいはい(笑)』


先生はコーラとウーロン茶を頼んだ。



2、3曲歌うと、ジュースとピザがきた。


あたしと先生はマイクを置いて食べることに専念した。



「先生どこに住んでるの?」

先生『内緒(笑)』

「えー!先生の家行きたい!」

先生『バカか(笑)俺を犯罪者にするつもりか(笑)』

「けちー」


そんなことを言ってると、ポテトがきた。



あ、そうだ。





「ねぇ、先生、これ、食べれる?」


あたしはポテトをくわえた。



先生『は?(笑)』

「これ食べたら家には行かない!食べなかったら無理矢理でも行くもんねー!」


ちょっとしたお遊び




先生は笑って、あたしがくわえているポテトをちぎって食べた。



先生『ほれ、食べたぞ(笑)』



子供のように笑う先生にドキドキした。




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