『一生のお願い、聞いてよ。』
あたしが抵抗しないから、というより痺れと恐怖で体が動かないから、いつの間にか押さえられていた手も足も放されていた。
(今ならケータイ取れる、でもケータイ取り出したところで取られるだけだ、どうしよう…そうだ…)
あたしはヤンキーたちにバレないようにケータイをスカートのポケットから取り出し、背中に腕ごと回した。
手探りで『110』と押した。
発信しようとした時
ビデオカメラを撮っていたヤンキー4が気が付いた
『背中で何かしてるぞ』
あたしに覆い被さっていたヤンキーが腕を引っ張った。
あたしは慌てて発信ボタンを押したが、ケータイは引っ張られた勢いで足元に落ちてしまった。
(やばい…)
『おい!110番かかってる!!!』
ヤンキーたちは慌てだした。
(よし…)
あたしはヤンキーがあたしから気を反らしたすきに覆い被さっていたヤンキーを突き飛ばした。
ケータイに向かって
「助けて!ヤンキーにレイプされてます!!」
と聞こえるように叫んだ。
ヤンキーは慌ててケータイを取り、電話を切った。
『てめえ!!!』
ヤンキーがあたしの顔を殴った
痛い
でも、それ以上のことをされたあたしは涙のひとつも出なかった。
ただ、ヤンキーを睨み付けた。
『調子乗んな!!』
今度はお腹を何度も何度も殴られた。
『おい、やめろよ』
ビデオカメラを撮っていたヤンキー4がそう言った。
他のヤンキーは、は?といった表情でヤンキー4を見た。
4『俺、いいもの持ってるからさ』