『一生のお願い、聞いてよ。』

保健室の先生『過呼吸になってる。何も持ってきてないから、保健室に運ぶから男の先生呼んできてくれる?!』

「わかった!」


階段を駆け降り、職員室に行ったけど、みんな授業で誰もいなかった。


他の学年の教室に飛び込むのは迷惑だと思った。

そういえば、1時間目は社会。

男の先生だ!

あたしのクラスに向かって走った。

体力が続かない。

苦しいけど、結羽ちゃんはもっと苦しいはず!



あたしはそう自分に言い聞かせて横腹を押さえて走った。


バンッ!


「先生!」

先生『原中?遅刻だぞー』



教室がざわつく。




「結羽ちゃんが!過呼吸で!!とにかく来て!」

先生『わっわかった!ちょっと自習してろ !』



先生はクラスのみんなにそう言って、あたしについたきた。


結羽ちゃんのところについた。




保健室の先生『あ、田中先生!保健室に運ぶので手伝ってもらえますか?!』

田中『はい!』



保健室の先生が田中の背中に結羽ちゃんを乗せた。



ゆっくりと一段ずつ降りていく先生たちの後ろからついていった。




田中『原中は教室に戻ってろ』

「いや!結羽ちゃんのそばにいる!」

田中『あとは先生に任せるんだ。お前がいても何もできんだろう』

「でも!」

保健室の先生『何があったか、聞きたいから原中さんもついてきて』

田中『そうですか、じゃあ原中!ちゃんと話すんだぞ!』

「うん!」



保健室について、田中は結羽ちゃんを椅子に座らせて、田中が結羽ちゃんの背中をゆっくりさすりながら、保健室の先生は袋を持って何かしている。



その光景を眺めるしかできなかった。

自分は無力で、知識もなくて、応急処置何かもわからない。


あたしは、自分が憎くてたまらなかった。



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