『一生のお願い、聞いてよ。』


勇次『まぁ、どっちにしろ勘違いだったわけだし、俺らやり直さね?』

「は?」

勇次『まだりょうのことが好きだよ』

「いやいや、真央と付き合ってんでしょ」

勇次『別れる』

「何それ。その程度で真央と付き合ったんだ」

勇次『しつけぇからさ』

「しつこい?意味分かんない」


イライライライライライラ。

先生から返事もこない。

勇次はこんな男だったんだ。

りょうくんも黙って聞いてるだけだし。

イライラしすぎて体が震えた。


その時、勇次のケータイが鳴った。

勇次はケータイを開いて電話を切った。


「なんで切るの?出ればいいじゃん」


また、勇次のケータイが鳴った。


「出れば?」


勇次はしぶしぶ電話に出た。


勇次『なに?…あぁ、わりぃ…おう…いや、今りょうの家…別に…お前に関係ねえよ…うん…わかった』


勇次は電話を切った。


「真央?」

勇次『まぁ』

「会う約束してたんじゃないの」

勇次『うん。あいつの家に行ってた。でも、今日はいい』

「なんで」

勇次『りょうといたいから』

「はぁ?」

りょうくん『おい』


あたしが文句を言おうと思ったらりょうくんが口を開いた。


りょうくん『お前、りょうのこと何だと思ってんの?』

勇次『は?』

りょうくん『そういうこと言うならケジメつけてから言えよ』

勇次『ケジメ?』

りょうくん『さっきの電話でも、りょうのことが好きだから別れたいとか言えただろ。それを言わずにりょうといたいとか言ってんじゃねえよ』


あたしの思ってることをりょうくんは言ってくれた。

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