『一生のお願い、聞いてよ。』
勇治『はあ?つか、お前だれだよ』
りょうくん『誰に向かってお前とか行ってんだよガキ』
勇治『誰がガキだ!』
このままじゃ喧嘩になっちゃう。
「もう!勇治!あたしはりょうくんと話があるの!出てって!」
勇治『俺がいちゃわりぃのかよ?!』
「悪い!早く出てって!」
あたしは勇治を無理やり外に追い出した。
部屋に戻ると、りょうくんはイライラしたように、ベッドに足を組んで座ってタバコを吸っていた。
「りょうくん」
りょうくん『ん?』
名前を呼ぶと、りょうくんは優しい顔に戻った。
「あのさ…」
続きが出てこなかった。
聞きたいことがありすぎて、何からどう聞けばいいのか、頭の中がごちゃごちゃだった。
りょうくん『あ、じゃあ、俺から聞いてもいい?』
「あ、うん」
りょうくん『前、コンビニきたよな、あのとき、なんであんなナンパについていくんだよ。俺のことも完璧に無視してさ。そのあと来た時も、俺から逃げやがって。りょうの友達には人違いっつったけど、りょうだってこと、分かってたから。なんでだよ。俺が何かしたか?』
何かしたって?
したじゃない。
あんなこと全部聞いといて、もう来ないって言ったのはりょうくんじゃない。
ひどいことしたのはりょうくんじゃない。
あたしのこと突き放したのはりょうくんじゃない。
我慢してた気持ちが溢れ出る。
「りょうくんがあたしのこと突き放したんじゃん!」
りょうくん『は?』
「は?じゃないよ!もう来ないって言ったじゃん!なんで今更くるの?!意味分かんないのはりょうくんだよ!!」
りょうくんは、黙っていた。
「何か言ってよ!」
りょうくんに向かって、涙をこらえながら叫んだ。
りょうくん『俺を突き放したのはお前だよ』