『一生のお願い、聞いてよ。』


次の日、朝起きると隣で寝ていたはずのりょうくんがいなかった。

トイレかな?と思って気にせずタバコに火をつけた。



タバコも短くなっても、りょうくんは戻ってこない。


ちょっと心配になり、トイレまで行ってドアをノックしてみたけど、返事はなくて、鍵もしまっていなかった。



(りょう…くん…?)



ケータイの番号を聞くのを忘れた。

電話をかけることも、メールすることもできない。


ただ部屋でソワソワしていると、一時間後にりょうくんが戻ってきた。


「りょうくん!どこ行ってたの?!」

りょうくん『あ、起きてた?ごめんごめん』

「ごめんごめんじゃなくてどこ行ってたの!心配したんだよ!」

りょうくん『女じゃねえんだから(笑)ちょっと散歩行ってただけ(笑)』

「それならそうと一言言ってから行ってよ!」

りょうくん『気持ち良さそうに寝てたから起こしたくなくて、ごめんね』


りょうくんは優しくおでこにキスをした。

もう怒ってた気持ちも和らいじゃう。


「し…心配するから…ケータイの連絡先…教えといて」

りょうくん『あ、そうだったね(笑)』


あたしとりょうくんは赤外線でお互いの番号、アドレスを送り合った。


その日から、いつもりょうくんはあたしの家に泊まるようになった。


昼間友達と遊んで、夜中の12時過ぎに帰ってきて体を重ねて抱き合って寝た。


もちろん、毎日紅茶花伝のお土産は持ってかえってきてくれた。


日を重ねるごとにあたしもりょうくんとひるまもデートがしたいと思うようになった。


夜中に帰ってきて、エッチして寝て、朝起きたらりょうくんは遊びに行ってていなかったから、あたしもりょうくんが福岡にいる間、たくさんりょうくんと思い出を作りたかった。



ある日の夜。



りょうくん『ただいまー』

「おかえりりょうくん!」

りょうくん『おぉ、今日はやけに元気だな(笑)』

「あのね、お願いがあるの!」

りょうくん『お願い?なにー?』

「あたしも昼間デートしたい!」

りょうくん『え?(笑)いきなりどうした(笑)』

「りょうくんと思い出作りたいの!」

りょうくん『なるほどね(笑)』

「いい?」

りょうくん『いいけど、一時予定詰まってるから、時間できたらでいい?』

「うん!待ってる!」

りょうくん『いい子だね、りょうは。大好きだ』


りょうくんの大きな腕に抱き締められ、優しいキスの雨。

いつも以上に柔らかく感じるベッド。

りょうくんが汗を垂らしながら悶える。

すごく、興奮した。


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