『一生のお願い、聞いてよ。』



目が覚めると、まだ真央は隣で寝ていた。

あたしは右手に握っていたケータイに目を向けた。


(昨日メール待ったまま寝ちゃったんだ…)


メールを問い合わせて見たけど、新着メールはなし。


ため息をついてタバコに火を付けた。



真央『…りょう?おはよー』

「あ、起きた?おはよー」

真央『彼氏大丈夫?』

「大丈夫(笑)」

真央『そっか、よかった!』


真央はあたしがタバコを吸っているのをじっと見ていた。



「な、なに?(笑)」

真央『え?(笑)』

「そんなにまじまじと見られたら気まずい(笑)」

真央『タバコって美味しいの?』

「へ?(笑)」


予想外の言葉に変な声が出た。



真央『美味しいの?』

「美味しく…はないかな(笑)」

真央『じゃあなんで吸うの?』

「吸ってないと落ち着かないの(笑)」

真央『吸うと落ち着くの?』

「んーまぁ、でも真央は吸っちゃだめだよ」

真央『え?どうして?』

「やめられなくなっちゃうからさ」

真央『そっかぁ』

「あたしみたいになっちゃだめだよ(笑)あたしみたいにタバコに逃げる弱い人間になっちゃだめ(笑)」

真央『りょうは弱くないよ!』

「え?(笑)」


真央はぎゅっとあたしの手を握った。



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