『一生のお願い、聞いてよ。』

その場で読みたかったけど、紅茶花伝はぬるくなっていて、少し時間は経っていることが分かった。

もう近くにりょうくんはいない。

レシートを広げたけど、暗くて読めなかった。


部屋に戻って電気をつけた。



『もしかしてとは思ったけど、ほんとに返事くれたんだね(笑)ペン持ってきといてよかったよ(笑)楽になったならよかったよ。りょう』


やっぱりへたくそな字。

それも可愛いと思った。


紅茶花伝をまた並べてケータイで写メを撮った。

紅茶花伝、好きだけど、それ以上にりょうくんが好きで、飲めなかった。


りょうくんからのレシートを、叔父からお土産でもらった『白い恋人』の缶の中に入れた。


睡魔さんがやってきて、あたしにバトルを仕掛けてきた。

あたしは瞬殺され、ベッドで『白い恋人』を腕に抱えたまま眠った。



朝起きて、昨日のりょうくんからのレシートを見た。

また同じタバコを買っている。

あたしは財布からレシートを取り出して、お返事を書いた。


『もしかしたら来るかな?と思って(笑)紅茶花伝ありがとう。タバコは二十歳からだよ(笑)りょう』


その日も12時前にレシートをポストに入れて眠った。

6時に起きてポストを見るとりょうくんからの返事。


『俺紅茶花伝好きなんだ。りょうは好き?タバコは中2の夏から吸ってて止めれなくて(笑)ちょうど今のりょうと同じ頃からかな。りょう』


タバコって、美味しいのかな?

りょうくんがやめられないタバコ。

興味がわいた。


喉が渇いて台所に行くと、お母さんがいた。


「あ、お母さんおはよ。」

『りょ、りょう』

「ん?」

『ど、どうしたの?!』


お母さんが顔を真っ青にしてあたしの肩を掴んだ。
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