『一生のお願い、聞いてよ。』
『勇治がりょうちゃんのこと好きだったなんて気付かなかったー!』
『どんな告白されたのー?!』
『羨ましいー!』
『色々聞かせてよー!』
『どういう展開だったのー?!』
女子がたくさんあたしに質問責めをする。
うるいなぁと思いながらも嬉しかった。
『お前ら何やってんだー、ホームルーム始めるぞー』
『『えーーー』』
先生が入ってきて、みんなは文句を言いながらそれぞれの席へ戻っていった。
あたしと勇治は顔を見合わせて笑った。
授業と授業の合間の五分間の短い時間でさえも、あたしと勇治の周りには女子や男子が群がった。
あたしも勇治も笑って流して質問には答えたりはしなかった。
給食の時間になると、いつも一人で窓際で食べていたあたしの周りには女子が机を持ってきて、たくさんの子に囲まれて給食を食べた。
『りょうちゃんって笑うと可愛いねー!』
「え?」
『そう言えば喋ったことなかったし、笑ってるとこも見たことなかったなーって!』
「まぁ、そうだね(笑)」
『学校なんで来なかったのー?』
「めんどくさくて(笑)」
『えー(笑)毎日きてよねー!(笑)』
「う、うん(笑)」
『ねぇ!今日カラオケ行こうよー!』
「カラオケ?誰と?」
『うちらとー♪りょうちゃんともっと仲良くなりたい♪』
『俺も行きたい』
いきなり勇治が話に入ってきた。
『えー!だめー!今日は女子だけー(笑)』
「え?」
勇治と付き合いだしたから、あたしに近付いてきてんじゃないの?
それなら、勇治いた方がいいんじゃないの?
『いいじゃん!俺も入れてよ!』
「だーめー!あたしらはりょうちゃんと仲良くなりたいの!」
『ちっ、けちー!』
勇治が拗ねた。
可愛いなぁなんて思った。
勇治が男子たちのとこに戻った。
「い、いいの?勇治、連れていかなくて」
『え?なんで?一緒がよかった?(笑)』
「いや…そうじゃなくて」
『なに?どうしたの?(笑)』
「いや、なんでもない(笑)」
『『よし!けってーーーい!』』
ワイワイと盛り上がる女子たち。
その中心にいるのはあたし。
なんだか不思議だった。
放課後、カラオケのことなんて忘れてタバコが吸いたくて吸いたくてたまらなくてすぐに教室を出た。
『ちょっと待ってよ!!』
勇治が小走りで追いかけてきた。