見つめて…

会社近くの神部駅までは、全部で7つ通過する。



なるべくドア脇の隅に小さくいられるように努力する。



でも電車が止まったり揺れたりする度に押し寄せる人の波の中に大嫌いなオヤジ臭が鼻に付いてしまう。



『もう、やだ……』


でも、謝るオヤジには、笑顔で対応。勿論、心は般若の面だ。



『今朝は、夢見も良くないし、電車はいつもより混んでるし……ろくな事がないかも…』

フゥと溜め息をひとつついた。




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