見つめて…
「よろしくっす。先輩!!」
そんな私の気持ちとは裏腹に、斉藤敬介と名乗った男の子は元気にそう挨拶をしてきた。
『ドキッ……』
たった、2つしか変わらないのに、ニコッと笑った顔がやけにかわいらしく見える。
『ま、眩しい☆』
一瞬クラッときたが彼の言葉遣いは、社会じゃ通用しない。
「よろしくお願いします。でしょ?」
溜め息混じりにそう訂正すると、彼は謝りながらまたニコッと笑い「お願いします」と言い直した。
『ま、眩し過ぎるぜ……』
再び訳のわからない目まいがしたのだった。