紫陽花ロマンス
夜間応急診療所には、光彩と同じように熱を出してぐったりした子供がたくさんいた。みんな、おでこに冷却ジェルシートを貼り付けている。
散々待たされた結果、『溶連菌感染症』と言われた。
やっぱり……と思った。
熱が下がるまで、保育所には行ってはいけないらしい。念のため熱が下がったら、もう一度かかりつけの小児科で診てもらってほしいと。
明日は仕事を休まなくては。
明後日の土曜日には熱が下がるかな、下がっていたら午前中にかかりつけの小児科に連れて行こう。
母に連絡するのは、旅行から帰ってきてからにしよう。土曜日でもいいや。でないと、心配させてしまうから。
いろいろと考えながら家へと帰った。
小学校に入学するまでは、何かと病気をするものだとわかっていても焦ってしまう。
去年保育所に預け始めて間もない頃は、立て続けに熱を出していた。最近ようやく落ち着いてきたかなと思っていたのに。
眠っている光彩の頭を撫でながら添い寝しているうちに、いつの間にか私も眠ってしまっていた。