紫陽花ロマンス


「みいちゃん、かわいそうに……しんどかったねえ、大丈夫? おばあちゃんが居たら看てあげられたのに、ごめんね」


と言って、母は光彩に頬ずりをした。光彩も嬉しそうに、声を上げて喜んでる。


両親が旅行から帰ってきた翌日の土曜日、私は仕事がお休み。光彩もかなり回復していたから、午後から実家に行った。


光彩を一通り抱っこして可愛がってくれた後、母がお土産と土産話を披露してくれる。


「みいちゃんはかわいそうだったけど、雨降らなくてよかったよね。本当に心配してたんだから、充は帰りが遅いから頼めないしね」

「うん、ホントに助かったよ。やっぱり、お母さんが晴れ女なのかもね」


母は相当気にしてくれていたらしい。ありがたいけど、せっかくの旅行なのに申し訳なかったなあ。


と思っていたのに、


「明日はみいちゃん、おばあちゃん達とゆっくりしようね。月曜日も無理して保育所に預けないで、休ませてあげたら? 預かってもいいわよ」


なんて母が言ってくれた。


「本当に? ありがとう、お願いしようかなあ」



実家や両親って、本当にありがたいと思う。




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