紫陽花ロマンス
互いにアイスコーヒーを飲んだ後、顔を見合わせる。笑い出しそうになる私に、大月さんが問い掛けた。
「ちなみに、高校は?」
「北高校です、大月さんは?」
ドキドキしながら答えた。
もし、高校まで一緒だったらすごいかも。一緒だったらいいなあと思って。
私の答えを聞いた瞬間の大月さんの顔を見てわかった。高校まで一緒だったんだと。
「うわ……僕もだ、すごいなあ……」
「本当に? すごいかも……」
興奮せずにいられない。
両手で頬を包み込んだら、熱くなってる。
「大学は違うよね? 僕は学院大だけど……」
「ああ、私は女子大だから……」
「そっかあ……女子大は無理だ、残念」
大月さんが残念そうに首を振る。私も残念だった。どうせなら、大学も一緒だったらよかったのにと本気で思ってたから。
私たちはひとしきり笑い合った。
こんなに盛り上がるとは思わなかったし、ただ笑うだけなのに楽しくてたまらない。
「どうして、今まで出会わなかったんだろう」
大月さんが口にした言葉に、また胸がぐらき始める。