紫陽花ロマンス
家事を終えて、ひとりでお昼ご飯を食べながら考えていた。どこに買い物に出掛けようかと。
頭の中の地図を広げて、傘を売ってそうな店舗を辿る。家から歩いて行けて、電車に乗ってもいいけど光彩のお迎えまでに帰って来られる範囲内。
だけど、全然思いつかない。
とりあえず家を出よう。
適当に歩いているうちに何か思いつくかもしれないし、いいお店に出会うかもしれない。
『今日の降水確率は20%、夕方雲が広がりにわか雨の降る地域があるでしょう。折り畳み傘を持っていると安心です』
朝の天気予報で、お天気キャスターのお姉さんが言ってたのを思い出す。
だから、それを買いに行くの! と突っ込みながらも、ちょっと危ないかもしれないと思った。
お昼ご飯を食べ終えて、お布団を取り入れて、いざ。
月見ヶ丘駅前の商店街へ。
最近、買い物といえばショッピングモールかスーパーばかり。商店街なんて小さい頃か、学生の頃に行った記憶しかない。
昔どこかに、傘の専門店があったような気がするのに見当たらない。懐かしさとともに見回すけど、目に付くのは飲食店ばかり。
ここにはなさそう、他を当たろう。