～青い春～

「……なんで俺を知ってるんだ？」



背中越しに悠斗が聞いた。


「………ぁたし、もう何回もライブに行かせていただいてます。まさか、悠斗さんが同じ学校だなんて知りませんでした」


勝手に動く口に絋佳自身がビックリしていた。


悠斗は振り返り再び絋佳を見て、また背中を向けた。



その背中を見て、絋佳は自然と抱き付いていた。


「何があったのかは分かりませんが、私はアトラスのファンです。……だから少しでも役に立ちたい」



そこにいたのは真面目な絋佳の姿ではなく、大好きなものを一途に思う女の子がいたのだ。