はじまりは政略結婚
休みの日は、朝食の準備は私がすることで、なんとか体面を保っている。
今日もご飯を済ませ、寝室に置いてもらったドレッサーで身支度を整えていると、智紀が手元を覗き込んできたのだった。
「あれ? 婚約指輪に付け替えるのか?」
いつ気付くだろうと、ドキドキしながら指輪をはめ替えていると、さっそく気付かれてしまった。
意外と細かく見ているのは、本人の性格なのか職業柄なのか分からない。
「うん。なかなか、付ける機会がないなって思ってたから。それにしても、智紀って細かいところも見てるのね」
大きなダイヤは自分に合うものには思えないけど、彼が贈ってくれたものだから、はめようと思ったのだった。
意に沿わない突然の政略結婚話に、ここまで適応している自分に戸惑いもあるけど、今まで私は雰囲気だけで智紀を見ていた気がする。
二人で過ごしていると、思いがけない優しさや、真っ直ぐな気持ちを知ることが出来たから。
ついでに元カノだの、涼子さんの本音だの、嫌な部分も見えてしまったけれど……。
今日もご飯を済ませ、寝室に置いてもらったドレッサーで身支度を整えていると、智紀が手元を覗き込んできたのだった。
「あれ? 婚約指輪に付け替えるのか?」
いつ気付くだろうと、ドキドキしながら指輪をはめ替えていると、さっそく気付かれてしまった。
意外と細かく見ているのは、本人の性格なのか職業柄なのか分からない。
「うん。なかなか、付ける機会がないなって思ってたから。それにしても、智紀って細かいところも見てるのね」
大きなダイヤは自分に合うものには思えないけど、彼が贈ってくれたものだから、はめようと思ったのだった。
意に沿わない突然の政略結婚話に、ここまで適応している自分に戸惑いもあるけど、今まで私は雰囲気だけで智紀を見ていた気がする。
二人で過ごしていると、思いがけない優しさや、真っ直ぐな気持ちを知ることが出来たから。
ついでに元カノだの、涼子さんの本音だの、嫌な部分も見えてしまったけれど……。