はじまりは政略結婚
「あ、愛し合ってる⁉︎」
さらりと凄いことを言われて、思わずどもってしまう。
確かに智紀のことは好きだけど、『愛し合ってる』なんて言われて、恥ずかしすぎて簡単に頷けない。
「だって左手薬指に指輪してるじゃない。嫌なら、外してるでしょ?」
「そ、そうですね……」
思いのほか、この指に指輪をはめていると目立つらしい。
照れ臭さで肩をすくめていると、佐江さんが私の髪をすくい上げた。
「緩く巻こうか? 色も栗色ぽくして、由香ちゃんの場合は、前髪は眉毛より上ね」
鏡に写る彼女は、たったさっきまでの穏やかな雰囲気とは少し違って、真剣な眼差しをしている。
その切り替えに圧倒されつつ、私は不安をのぞかせた。
「前髪が眉毛より上って、大丈夫ですか? かなり目立つ気がして、自分に似合うか自信が無いんですけど……」
しかも、緩く巻いてカラーも入れるだなんて、今までの私とは正反対だ。
さらりと凄いことを言われて、思わずどもってしまう。
確かに智紀のことは好きだけど、『愛し合ってる』なんて言われて、恥ずかしすぎて簡単に頷けない。
「だって左手薬指に指輪してるじゃない。嫌なら、外してるでしょ?」
「そ、そうですね……」
思いのほか、この指に指輪をはめていると目立つらしい。
照れ臭さで肩をすくめていると、佐江さんが私の髪をすくい上げた。
「緩く巻こうか? 色も栗色ぽくして、由香ちゃんの場合は、前髪は眉毛より上ね」
鏡に写る彼女は、たったさっきまでの穏やかな雰囲気とは少し違って、真剣な眼差しをしている。
その切り替えに圧倒されつつ、私は不安をのぞかせた。
「前髪が眉毛より上って、大丈夫ですか? かなり目立つ気がして、自分に似合うか自信が無いんですけど……」
しかも、緩く巻いてカラーも入れるだなんて、今までの私とは正反対だ。