はじまりは政略結婚
『元カレ』の策略
とにかく感情的に走っていると、背後から智紀の呼ぶ声がして、とっさに脇道に入る。
すると運良くタクシーが通りかかり、飛び乗ったのだった。
60代くらいの男性運転手は、夜中にルームウエアで息を切らせた私の姿に異様さを感じたのか、切羽詰まった様子で声をかけてきた。
「どこに行く? すぐに車を走らせるよ?」
どうやら誰かに追われていると思われたみたいで、急に気恥ずかしさがこみ上げる。
だけど行き先を考えている余裕はなく、とっさに思いついたのが兄が一人暮らしをするマンションで、そこを告げていた。
車で15分ほどで兄のマンションへ着くと、最後まで心配をしていた運転手に会釈をして、インターホンを押したのだった。
兄のマンションはオートロック式だから、もし不在なら建物の中にすら入れない。
不安を感じながら待っていると、意外とすぐに声が聞こえたのだった。
「由香⁉︎ どうしたんだよ、こんな夜中に」
それと同時にオートロックは解除され、説明もそこそこに部屋へ向かった。
すると運良くタクシーが通りかかり、飛び乗ったのだった。
60代くらいの男性運転手は、夜中にルームウエアで息を切らせた私の姿に異様さを感じたのか、切羽詰まった様子で声をかけてきた。
「どこに行く? すぐに車を走らせるよ?」
どうやら誰かに追われていると思われたみたいで、急に気恥ずかしさがこみ上げる。
だけど行き先を考えている余裕はなく、とっさに思いついたのが兄が一人暮らしをするマンションで、そこを告げていた。
車で15分ほどで兄のマンションへ着くと、最後まで心配をしていた運転手に会釈をして、インターホンを押したのだった。
兄のマンションはオートロック式だから、もし不在なら建物の中にすら入れない。
不安を感じながら待っていると、意外とすぐに声が聞こえたのだった。
「由香⁉︎ どうしたんだよ、こんな夜中に」
それと同時にオートロックは解除され、説明もそこそこに部屋へ向かった。