はじまりは政略結婚
連れていってもらった店は、大手チェーンのコーヒーショップで、そこのカフェラテとクッキーを注文した私は、奥のソファー席へ座ったのだった。
兄は、昔と変わらずブラックコーヒーで、向かいに座ると私にぎこちない笑顔をみせた。
「智紀とケンカした?」
「え? なんで、そんなこと聞くの?」
ギクッとして、食べかけのクッキーを落としそうになる。
「だって、智紀の元気がなかったから。今日、仕事でテレビ局に行ったんだ。少し、あいつと話す機会があったんだけど、由香の話を振ったら誤魔化された。お前も元気ないし、何かあったんだろ?」
さすが、私たちを知り尽くしてる兄だけあって鋭い。
その兄を前に、私は誤魔化すことはできずに、今朝の話をしたのだった。
すると、話を聞き終えた兄は、表情を硬くした。
「海里の記事は、オレも見たよ。だけど、あれを売ったのは智紀じゃないと思うけどな」
「本当に? ていうか、お兄ちゃんも真相は知らないんだ?」
兄は、昔と変わらずブラックコーヒーで、向かいに座ると私にぎこちない笑顔をみせた。
「智紀とケンカした?」
「え? なんで、そんなこと聞くの?」
ギクッとして、食べかけのクッキーを落としそうになる。
「だって、智紀の元気がなかったから。今日、仕事でテレビ局に行ったんだ。少し、あいつと話す機会があったんだけど、由香の話を振ったら誤魔化された。お前も元気ないし、何かあったんだろ?」
さすが、私たちを知り尽くしてる兄だけあって鋭い。
その兄を前に、私は誤魔化すことはできずに、今朝の話をしたのだった。
すると、話を聞き終えた兄は、表情を硬くした。
「海里の記事は、オレも見たよ。だけど、あれを売ったのは智紀じゃないと思うけどな」
「本当に? ていうか、お兄ちゃんも真相は知らないんだ?」