はじまりは政略結婚
「お兄ちゃんの車は無臭よ。そもそも智紀の車みたいに、オーディオもこんな派手なものじゃないし」
初めて乗る智紀の車は、兄と同じメーカーの高級車として有名な外国車だ。
兄はそれの白色を乗っていて、智紀は黒色からも、二人が対照的なのが分かる。
「オレは職業柄、オーディオにもこだわらないといけないんだよ」
さすが、音楽関係にも精通しないといけないわけか。
「ふぅん。そうそうお兄ちゃんがね、涼子さんが芳香剤を嫌がるんだって言ってた。だから、置いてないのよ」
「へえ。涼子がねぇ……」
「何よ、呼び捨てにするなんて、ずいぶん馴れ馴れしいのね」
それにどことなく、よく知ってるような雰囲気の口調だ。
すると、ちょうど赤信号で停まったと同時に、智紀がニヤニヤと私を見た。
「妬いてる?」
「えっ⁉︎」
突然、何を言い出すのかと思ったら、相変わらず私には理解不能の思考回路だ。
「妬くわけないじゃない。涼子さんはお兄ちゃんの彼女なのに、どうして馴れ馴れしい呼び方をするのかなって、純粋に疑問に思っただけよ」
初めて乗る智紀の車は、兄と同じメーカーの高級車として有名な外国車だ。
兄はそれの白色を乗っていて、智紀は黒色からも、二人が対照的なのが分かる。
「オレは職業柄、オーディオにもこだわらないといけないんだよ」
さすが、音楽関係にも精通しないといけないわけか。
「ふぅん。そうそうお兄ちゃんがね、涼子さんが芳香剤を嫌がるんだって言ってた。だから、置いてないのよ」
「へえ。涼子がねぇ……」
「何よ、呼び捨てにするなんて、ずいぶん馴れ馴れしいのね」
それにどことなく、よく知ってるような雰囲気の口調だ。
すると、ちょうど赤信号で停まったと同時に、智紀がニヤニヤと私を見た。
「妬いてる?」
「えっ⁉︎」
突然、何を言い出すのかと思ったら、相変わらず私には理解不能の思考回路だ。
「妬くわけないじゃない。涼子さんはお兄ちゃんの彼女なのに、どうして馴れ馴れしい呼び方をするのかなって、純粋に疑問に思っただけよ」