はじまりは政略結婚
一線を越えた夜
「お疲れ様、由香ちゃん。今日は急いでるのね? 何か用事?」
いたって変わりばえしない、毎日の仕事を終え帰り仕度をしていると、竹内さんが声をかけてきた。
「はい。ちょっと寄りたいところがあって……」
月曜日の夜から用事なんて怪しまれそうだけど、智紀が忙しくすれ違い生活をしていることを話すと、竹内さんは何も聞いてこなくなった。
お陰で詮索されずに済んでありがたい。
「そうなんだ。いろいろ忙しいのね、じゃあまた明日」
小さく手を振る竹内さんに会釈して、足早にオフィスを出る。
今夜は、どうしてもテレビ局に行きたいのだ。
正直、自分の気持ちに戸惑うけれど、一週間もまともに顔を合わせていないことに、もどかしさを感じていたから。
ただ、アポを取っているわけでもないから、あの広い局内で智紀に会えるか不安があった……。
いたって変わりばえしない、毎日の仕事を終え帰り仕度をしていると、竹内さんが声をかけてきた。
「はい。ちょっと寄りたいところがあって……」
月曜日の夜から用事なんて怪しまれそうだけど、智紀が忙しくすれ違い生活をしていることを話すと、竹内さんは何も聞いてこなくなった。
お陰で詮索されずに済んでありがたい。
「そうなんだ。いろいろ忙しいのね、じゃあまた明日」
小さく手を振る竹内さんに会釈して、足早にオフィスを出る。
今夜は、どうしてもテレビ局に行きたいのだ。
正直、自分の気持ちに戸惑うけれど、一週間もまともに顔を合わせていないことに、もどかしさを感じていたから。
ただ、アポを取っているわけでもないから、あの広い局内で智紀に会えるか不安があった……。