春のバス停と大先輩
それから、百合はすくすく育っていったわ。


初めて笑ってくれたとき、初めて固く握った手を開いてくれたとき、初めてハイハイしたとき、初めて立ったとき、初めて歩いたとき、それから…


どの光景も今でも目に焼き付いてるし、そのときの気持ちも胸にこびりついている。



でも、私はそのとき思ったのよ。


最初があるなら、必ず最後がある。


最初を喜ぶのは、最後に悲しむからなんじゃないかって。


私にも夫にも、そして百合にも、色んなことの最後があるんだって…。
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