神魔妖幻想曲 ー 斬呪 ー



「………と、いうわけです」



一通り話し終えたリーシャは一息つき、目の前のソファーに座る黒づくめを見つめる。

見るからに怪しいその子供は、フードのせいで目が隠れてしまっている。

ちらちらと見える髪色は黒。唯一日本人だということを主張していた。



「深紅の雪(クリムゾン)、ねえ……」


「おまけに流行り病もあるんだって?しかも原因不明……。不思議だね~」



壁に寄りかかるユウヤと、その隣で髪の手入れをしているナルミ。

あまりやる気が見られない。

その様子に『こんな人たちに頼んで大丈夫なのか』と不安になるリーシャだったが、目の前に佇む黒づくめがつと口を開いた。



「………あんたの目的はなんだ」

「え?」

「他にまだ言ってねえ事、あんじゃねえのかよ」



女の子にしては低く、男の子にしては高いその声に性別が特定できない。

しかし黒づくめが少し顔を上げてリーシャを睨むようにして見つめる顔は、以外と整っていた。

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