神魔妖幻想曲 ー 斬呪 ー

「ん?ね、ね、その赤い手紙ってなに?不幸の手紙とかあー?」



壁に寄りかかり座りこんでいたナルミ。

今まで一言も口を挟まなかったが、黒づくめが黙ったことで質問しようと片手を上げぶんぶん振った。


リーシャは「いえ、」と言ってスカートのポケットから例の赤い手紙を出した。



「これが赤い手紙……さきほど言った謎の団体が渡してきたものです」



「どうぞ」と言って赤い手紙を黒づくめに渡すと、黒づくめは黙ってそれを受け取った。


中を開くと、そこには黒いカードと4枚のチケットが入っていた。



「…………このチケットはなんだ」


「あ、たぶんサーカスのものだと思います。その手紙をくれた人、燕尾服(えんびふく)を着ていましたし……。

周りにいた人もピエロや踊り子みたいな格好してましたから」


「………その燕尾服着たやつは団長と見て間違いなさそうだな。

おい、ナルミ。ユウヤ」


「なになに?」「仕事か?」



チケットを3枚手にした黒づくめは前髪の間から黒い瞳をのぞかせ、形のいい唇で合図を出した。



「久しぶりの依頼だ。気合い入れてくぞ。………今回は忙しくなるかもな」


「「!!」」



最後の言葉に反応した二人は顔を見合わせ何かを口にしようとした。

しかし、リーシャがいることに気づき口を閉じてしまう。何を言おうとしたのだろうか?

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