神魔妖幻想曲 ー 斬呪 ー

昨日の帰り際、黒づくめの去った後にリーシャは玄関でこれからのことについて二人と話をしていたのだ。


結果、『聞き込み調査と街の様子見を兼ねて、サーカスの前にそちらへ行く』という話になったのだ。

もちろん黒づくめには何の相談もなしに進めたため、ユウヤとナルミはその後、黒づくめに死にたくなるような仕打ちを受けたらしい。



「うっし、そんじゃあリーシャ。手始めに近くの店に入るか」


「ええっ?なんでですか?そこにいる人たちに聞いた方が早いでしょう?」


「ははっ、ま、確かにそうかもな。だけどリーシャ、俺たちは警察じゃないんだ。
あんま目立った行動すると、追々大変なことになるしな」


「な、なるほど……」



そういえばと、リーシャは思い出す。


彼らは巷で有名な【斬呪の忌み子】。
行動許容範囲も狭いのだろう。



「あ、でしたらこの先に隠れ名所があるんです。知る人ぞ知る、だけれどその場所に行くといいことがあると言われているんです。

隠れ名所というよりは、秘密の花園ですかね」


「秘密の花園か……。面白そうだな、よし、二人で行ってみるか」


「えっ?あの、ナルミさん達は……」


「ん?あー……あのコンビは異質だからな。行動が目立つし、せんずは二人で行ったほうがいいだろ?」


「ああ……」



あなたも十分目立ってますけどね、
その容姿で。


そう言いたいのを堪えるリーシャは、「こっちです」と言って秘密の花園へと向かった。

< 21 / 24 >

この作品をシェア

pagetop