神魔妖幻想曲 ー 斬呪 ー
第1曲 古屋敷の主



正直に言えば、こんなところ来たくなかった。こんな、怪しいところなんて。

でも、お父様のためだから。


そう決意して歩む足を止めない少女。


少女の向かう先には、既に人の住んでいないような不気味な古屋敷。


なぜ少女がこんないかにも怪しげな場所へと足を運んだのか。それにはワケがある。

それは、とある噂によって。


『報酬さえ払えばどんな願いも叶えてくれる』という、現代では信じがたいその噂。


半信半疑ではあったが、少女は一刻もはやく、それすら藁にもすがる勢いでここ、古屋敷へ訪ねに来たのだった。



「ほんとに居るのかしら……」



古屋敷についてあるノック式インターホンへ恐る恐る手を伸ばす。


その様子を、ここ古屋敷の主人が二階の窓から見つめていたとは知らずに………


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