神魔妖幻想曲 ー 斬呪 ー
コンコン、意外と響くノック音に少し驚きつつも、少女は恐れることなく中からの返事を待った。


しばらくして、屋敷の扉がギィ…と開き、そこから同じ年頃の少女がひょっこり顔を出した。



「あれ、お客さんですか。珍しい」



珍しいってことはアレか。滅多に依頼しにくる人がいないってことか。


そうツッコミたくなるのを我慢し、依頼人である少女は口を開いた。



「報酬は、いくらでも払います。だから………だからどうか、この街の不可思議な謎を解いてくださいっ!」



少女の青色の瞳がまっすぐと屋敷の少女を捕らえ、強い決意を訴えた。





この街ロンドンでは、他言無用なる不可思議な謎が飛び交っていた。

謎と謎が交差する中、人々の出した答えはなんとも腑抜けた滑稽そのもの。


" これは悪魔の仕業だ " と


無論、最初の内はこの答えを嘲笑う輩はいたものの。それは突然に、悪魔の所業としか言い表せない出来事が起こったのだ。


それは【深紅の雪】(クリムゾン)。


人々は恐れおののき、口を揃えて言うのだった。


" やはり悪魔の仕業だ " と………


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