神魔妖幻想曲 ー 斬呪 ー
客間へ通された少女は、アンティークモノばかり置いてある部屋を興味に駆られキョロキョロと見渡していた。
ふかふかソファーに座らされ、「ここで待っててくださいねえー」と静止を強制させられる。
ふと、少女は壁にかけてある一つの人物画に目がいった。
それはとても美しい女性で。
思わずほぅ、と溜め息をもらす少女。しばらく魅入っていると、いつの間にいたのか、古屋敷の少女が目の前のソファーに座っていた。
「?! い、いつの間に……」
「あ、お気になさらずう~」
いや気にするわ。
のほほんと紅茶を前に出す少女。
カップは4つあった。
「あの……」
「なんですかあ?」
「カップが4つあるってことは、他にも誰かいるんですか…?」
「ええ、ええ、勿論いますとも。もとより私は接客係みたいな感じですしいー?
お仕事では他の二人……いや、リーダーが活躍してくれますんでえ、安心してくださあーい」
「はあ……」
紅茶をこくりと飲む目前の少女に気持ちが揺らぐ。
本当に大丈夫なんだろうか?
心配になりながらも紅茶を一口こくりと飲むのであった。