神魔妖幻想曲 ー 斬呪 ー
ふと、別間に繋がる奥の扉がキィ…と音をたて開いた。
中から出てきたのは、やはり同年代の少年。大人はいないのか?
「うっわ、お前の言ってたことガチだったのか。まさかホントに客が来てるとはな……」
「信じてなかったんかいっ!」
「………。」
漫才のようなノリに着いていけず、依頼人である少女は話し出すタイミングが掴めない。
「ああ、そういや冷蔵庫にあったアレってどこにいったか知ってるか?」
「!……さ、さあ?ケーキの行方は知らないなあ~」
「誰もケーキなんざ言ってねえけど?」
「し、しくった…!」
「やっぱお前かよこのデブ!」
「なっ、デブじゃないし!普通だし!」
「へー、ふうーん、ほおー?お前が普通なら世の女共はよほどスレンダーみたいだな」
「い、いやっ? 私だってかんなりナイスボデ…「黙れデブ」
「違うもんんんんんっ!」
「あ……あのっ!」
「「!」」
ようやっと会話に割り込めた少女は、少し緊張しながらも再び依頼内容を口にする。