神魔妖幻想曲 ー 斬呪 ー

ふと、別間に繋がる奥の扉がキィ…と音をたて開いた。


中から出てきたのは、やはり同年代の少年。大人はいないのか?



「うっわ、お前の言ってたことガチだったのか。まさかホントに客が来てるとはな……」


「信じてなかったんかいっ!」


「………。」



漫才のようなノリに着いていけず、依頼人である少女は話し出すタイミングが掴めない。



「ああ、そういや冷蔵庫にあったアレってどこにいったか知ってるか?」


「!……さ、さあ?ケーキの行方は知らないなあ~」


「誰もケーキなんざ言ってねえけど?」


「し、しくった…!」


「やっぱお前かよこのデブ!」


「なっ、デブじゃないし!普通だし!」


「へー、ふうーん、ほおー?お前が普通なら世の女共はよほどスレンダーみたいだな」


「い、いやっ? 私だってかんなりナイスボデ…「黙れデブ」


「違うもんんんんんっ!」



「あ……あのっ!」


「「!」」



ようやっと会話に割り込めた少女は、少し緊張しながらも再び依頼内容を口にする。

< 6 / 24 >

この作品をシェア

pagetop