偽善的マンネリズム
ちなみに現在の予定など、ズレるかキャンセルするために立てるも等しい存在となっている。
新人の頃は職場に馴染もうと必死だったけど、馴染んでみれば膨大な業務量が待っていただけ。
デキの悪さを棚に上げて、客先での苛立ちをコッチに向けられる八つ当たりも日常茶飯事。
とはいえ、いちいち落ち込むほど繊細な神経は持ち合わせていない。いや、そんなものは新人の頃に廃棄した。
但し、女子の特権ともいえる妥協とか甘えなんてフレーズは、昔から大嫌い。
そんなものを甘受するくらいなら、何を捨ててでも最善を尽くす方がマシだ。
年齢を重ねるほど、自分の本質まで失われていくような気さえするこの頃。
でも、流れに身を任せている方が結局のところ楽なのかもしれない。
そう考えるようになったのは、自分に対して何かの予防線を張っているからなのか……。
「じゃあ、気をつけて帰れよ」
「はいはい」
広いベッドで中央を陣取るように寝転ぶ私は、上半身を晒したまま生返事を返す。