color ~蒼の色~
泣き止んでから、総二郎は店の前まで送ってくれた。

「怒られるね」

「だろーなぁ」

私が巻き込んだんだ。

「ごめん」

「なんで謝るの?」

「だって…」

その先は総二郎に止められた。

「あお、何もしてないだろ。謝らなくていいんだ」


それだけ言って、店の扉を開けた。


その後、もちろんのこと母に怒られた。



次の日学校では、いろんな子がそれを目撃していたから、ホームルームで問題になっていたと知った。


父からは怒られなかった。

「あお、ちゃんと話聞いてやれなくてごめんな」

ジローに礼言わなきゃなぁ。

そう言って、私の頭を撫でてくれた。

父はしょっちゅう来る総二郎を好いていたし、3人で笑い合えるぐらい仲良しで、何より信じてくれていた。

「それ俺のあだ名?」

「そうだ!お前はジロー!」

大好きな3人の時間。

私の言葉、総二郎の言葉を、父は信じてくれたんだ。

それだけでまた、泣きそうになった。


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