color ~蒼の色~
「なにそれ?」

傷口、青くなったのか?
不思議なことを言う総二郎。

「だからな、あおの色」

「え?だから何それ?」

「わかんねー?」

「わかるか!」

「あははっ。だよなー」


なんだそれ!!


すっかり涙も止まり、言われたことを真剣に考えてみたけど、打ち所悪かったんだろうかと、ほんのり芽生えた罪悪感。


「あおが、総二郎って言った」

「え?」

「松田じゃなくて、総二郎って」

「えぇ?」



そういえば…。
でもいきなりなんなの、この話。


「だからな、これは“あおの色”になったんだってー」

「わからんわっっ!!」

「あははっ」


結局よくわからない説明に、笑う総二郎。

笑ってる私。


戻ってきた時間。


あいかわらず、総二郎の言うことはわからない。

……………でも。


私はきっとこの先も、総二郎といるんだろう。

そう思ったんだ。


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