color ~蒼の色~
総二郎が告白された。
それってつまり、峰さんは総二郎が好きってことで。

「峰さんってどんな子?」

私は思わずそう口走っていた。

「峰って、稽古しにきてる子で、俺らと同級!」

平井君が教えてくれた。

隣の中学に通う峰さん。
中学に入った頃から通いだし、その頃から総二郎を気にしていたらしい。

「俺、お前のこと峰にいろいろ聞かれてたからな!」

「ふーん」

自分のことなのに、興味なさそうにカキ氷を食べている総二郎。
目線は退屈そうに、ボーっと前を見ていた。


「でな、でな!先週告白されて、お前花火誘われてたろ!?いーなぁ!彼女!!」


…………彼女。

その響きに、なぜかチクリと胸が痺れた。


「そっか、彼女かぁ」

「そーそー!うらやましい!吉野は?好きな奴とかいねーの?」

「え?」


突然聞かれて、私はちょっと驚いた。
“好きな子”。そんなこと考えたこともなかった。

「彼氏、欲しくねーの?」

「え?いや、考えたことなかった」

そう答えるしかなかった。
だってほんとのことだから。


「なんだよ、つまんねーな!もっと青春しろって!」


青春か。
今私の過ごしている時間は、青春というには乏しいものなのかな。
お店の手伝いしたり、料理を教えてもらったり、幼馴染みとカキ氷食べたり。
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