color ~蒼の色~
(あたしは家政婦か…)
堂々と入ることも出来ず、入り口に隠れながら、総二郎を探した。
(あ、いた…)
いつもの眼鏡はかけておらず、壁にもたれながら汗を拭いていた。
(あんな姿、初めて見るな)
いつもはだるそうに、運動なんてめんどくさい~なんて言う奴が、スポーツマンらしい姿を見ると、なんだか新鮮で、それでいて、知らない誰かを見てるようだった。
(今なら声かけてもいいかな…)
中に入ろうとしたとき、一人の女の子が総二郎に近づいていった。
(しまった、入り損ねた)
結局中には入れず、思わず二人を盗み見ることになってしまった私は、引き返そうか迷ったけれど、目が離せなくなっていた。
(女の子…)
何か話しかけ、嬉しそうに総二郎の顔を自分のタオルで拭うその子は、まっすぐに総二郎を見ていた。
(きっと峰さんだ…)
短い前髪を手櫛で直し、首にタオルをかけて、自分の顔にそれをあてる彼女は、汗をかいてるにもかかわらず、見ている私すら不快感を感じないぐらい、とてもキレイに見えた。
それぐらい、とても生き生きしていた。
(あれが、好きってことか…)
きらきら。
きらきら。
彼女はとても輝いて見えた。
(見るんじゃなかった)
私の知らない、総二郎の時間。
私の知らない誰か。
総二郎の背中が遠く感じた。
堂々と入ることも出来ず、入り口に隠れながら、総二郎を探した。
(あ、いた…)
いつもの眼鏡はかけておらず、壁にもたれながら汗を拭いていた。
(あんな姿、初めて見るな)
いつもはだるそうに、運動なんてめんどくさい~なんて言う奴が、スポーツマンらしい姿を見ると、なんだか新鮮で、それでいて、知らない誰かを見てるようだった。
(今なら声かけてもいいかな…)
中に入ろうとしたとき、一人の女の子が総二郎に近づいていった。
(しまった、入り損ねた)
結局中には入れず、思わず二人を盗み見ることになってしまった私は、引き返そうか迷ったけれど、目が離せなくなっていた。
(女の子…)
何か話しかけ、嬉しそうに総二郎の顔を自分のタオルで拭うその子は、まっすぐに総二郎を見ていた。
(きっと峰さんだ…)
短い前髪を手櫛で直し、首にタオルをかけて、自分の顔にそれをあてる彼女は、汗をかいてるにもかかわらず、見ている私すら不快感を感じないぐらい、とてもキレイに見えた。
それぐらい、とても生き生きしていた。
(あれが、好きってことか…)
きらきら。
きらきら。
彼女はとても輝いて見えた。
(見るんじゃなかった)
私の知らない、総二郎の時間。
私の知らない誰か。
総二郎の背中が遠く感じた。