color ～蒼の色～

同じタイトルで私のクラスも描いたけど、ほんと飾るのこれ？ってぐらい、私の絵心は皆無に等しい。

特に好きな場所もなかった私は、なんとなくプールを描いた。

(青色で、画用紙半分ぐらい埋まるかも)

ただそれだけの理由で。

総二郎は何描いたんだろう……。


探さなくてもすぐにわかった。


壁いっぱいにカラフルな画用紙が貼られる中、１枚だけ明らかに浮いてる。

…………というか、異様よね。


“松田　総二郎　作”

と書かれた絵は、白い画用紙に、黒の絵の具で描かれた、いろいろな線や塗りつぶされた四角。


その中の一部だけが、赤、青、緑。
それらが混ざって、妙な色のかたまり。



(なるほど、これ見てたわけね、あの輪は)


まぁ、どっから見てもおかしいっちゃおかしい。


私はというと。

(変わってないな～)


小学生のときも、こんな絵描いてたな。

ほんと、全然変わってない、総二郎。


こういうところが、奴が“変人”と呼ばれる原因でもある。