color ~蒼の色~
私に、何の話もせぬまま離婚し、出て行けと、簡単な荷物を突きつけた母。
遅かれ早かれ、そうなることはわかっていたのに。
(こんな風に突きつけられると、こたえる…)
もちろん私は父さんについていくつもりだった。
だけど、一言聞いてくれてもよかったじゃないか。
私に選択肢を、私の答えを、聞いてくれてもよかったじゃないか。
沸々と沸いてくる、どうしようもない感情を、私は母にぶつけた。
「一言、聞いてくれてもよかったんじゃないの?」
黙って私を見ていた母は、ぶるぶると声を震わせて言った。
「何を?あんたは、昔から“お父さん、お父さん”。何を聞けって言うのよ!?」
―――――それ、悪いことなの?
「何がいけないの?私、父さんと店を…「うんざりなのよ!!」
私の言葉は、母の声にかき消された。
「あんたみたいな子、もううんざり!!さっさと荷物まとめて出ていきなさいよ!!」
「いい加減にしろ!!」
怒鳴りつけた父と、ヒステリックになる母は、私の目の前で口論を始めた。
(あぁ、私の城が…)
大好きなお店が、どんどん落ちていくようだった。
私と母が長年作り上げた、どうしようもない、埋まることのない、深い深い溝…。
「いい加減にしてよ!!」
私はこの店が汚れて落ちていくのを、見ていられなかった。
「いつもそう!母さんこそ、何が気に入らないのよ!私は父さんと店をやっていきたいの!それが私の夢なの!!」
「勝手にすればいいわ!!あんたみたいな子、私の娘じゃないのよ!!気安く母さんなんて呼ばないでちょうだい!!」
私に投げつけられた、紙袋。
瞬間、私は店を飛び出した。
「蒼っっ!!」
父さんの声にも立ち止まらず、私は走った。
あぁ、ついに壊れたんだ。
不安定だった、わたしの家族。
遅かれ早かれ、そうなることはわかっていたのに。
(こんな風に突きつけられると、こたえる…)
もちろん私は父さんについていくつもりだった。
だけど、一言聞いてくれてもよかったじゃないか。
私に選択肢を、私の答えを、聞いてくれてもよかったじゃないか。
沸々と沸いてくる、どうしようもない感情を、私は母にぶつけた。
「一言、聞いてくれてもよかったんじゃないの?」
黙って私を見ていた母は、ぶるぶると声を震わせて言った。
「何を?あんたは、昔から“お父さん、お父さん”。何を聞けって言うのよ!?」
―――――それ、悪いことなの?
「何がいけないの?私、父さんと店を…「うんざりなのよ!!」
私の言葉は、母の声にかき消された。
「あんたみたいな子、もううんざり!!さっさと荷物まとめて出ていきなさいよ!!」
「いい加減にしろ!!」
怒鳴りつけた父と、ヒステリックになる母は、私の目の前で口論を始めた。
(あぁ、私の城が…)
大好きなお店が、どんどん落ちていくようだった。
私と母が長年作り上げた、どうしようもない、埋まることのない、深い深い溝…。
「いい加減にしてよ!!」
私はこの店が汚れて落ちていくのを、見ていられなかった。
「いつもそう!母さんこそ、何が気に入らないのよ!私は父さんと店をやっていきたいの!それが私の夢なの!!」
「勝手にすればいいわ!!あんたみたいな子、私の娘じゃないのよ!!気安く母さんなんて呼ばないでちょうだい!!」
私に投げつけられた、紙袋。
瞬間、私は店を飛び出した。
「蒼っっ!!」
父さんの声にも立ち止まらず、私は走った。
あぁ、ついに壊れたんだ。
不安定だった、わたしの家族。