color ~蒼の色~
「総二郎君がっ…!」

泣きながら峰は言った。

「俺は質問に答えただけです」

目は、りんご飴の暖簾を捕らえている総二郎。

「落ち着いて、な?」
(特に峰さん…)

なんの慌てふためきのない、むしろこの場にまるで興味のない総二郎は、この際無視することにした。

「なんかされた?」

「総二郎君がっ…」

「うんうん」

「“私のこと、どう思う?”って聞いたらっ…」

「うんうん」


「“ヒト科のメス”って!!」


……………………。

あぁ、この凍りついた場の空気よ。

「りんご飴~」

空気を読めない、この男よ。


囲んでいた女子からの、

「サイッテーッッ!!」

その叫び声で、俺ら男衆の、短い夏は終わったんだ。

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