color ~蒼の色~
重い荷物を中に運び、カキ氷が食べたいと言った総二郎に、ふと思い出し、私はりんご飴を見せた。
「あれ?なんでりんご飴?」
「これ私のでしょ?」
落としたりんご飴を、平井君が届けてくれたことを総二郎に言った。
「あれ~?どこで落としたんかな?」
「知らない。ねぇ、外行こう」
自転車に乗り、昨日はこっち方面をひたすら走っていたよって、総二郎に話した。
「へ~、こんなになってんだな。知らなかった」
途中、自転車を止め、夕暮れ時の町を見ながら、私はりんご飴の袋を開けた。
……………と、同時に沸いたあの自問自答。
「あのさ、総二郎」
「ん~?」
「私って、どう見える?」
「どうって?」
「そのまんまの意味」
「んー…」
別に向き合うわけでもなく、総二郎は町並みを見ていたし、私は欠けたりんご飴を指で触っていた。
ろくな返事なんて期待していなかった、けど。
「蒼は、蒼だろ」
今は、それで十分満たされた。
指でつまんだ欠片を、総二郎に向けた。
「ん、半分こ」
「いただきまーす」
なんのためらいもなく、私の指ごとぱくりと口に含んだ。
「帰ろっか」
「そだな~」
総二郎の背に身体を預け、私は思った。
これって恋なんだろうか?
それともただ、唯一の友人に対する私の執着なのか。
私にはわからない。
でも―――……………。
少なくても総二郎にとって、私は“特別枠”に入ってるってこと、自惚れてもいいだろうか。
私がこの心に気づくのは、そう遠くない未来だ。
「あれ?なんでりんご飴?」
「これ私のでしょ?」
落としたりんご飴を、平井君が届けてくれたことを総二郎に言った。
「あれ~?どこで落としたんかな?」
「知らない。ねぇ、外行こう」
自転車に乗り、昨日はこっち方面をひたすら走っていたよって、総二郎に話した。
「へ~、こんなになってんだな。知らなかった」
途中、自転車を止め、夕暮れ時の町を見ながら、私はりんご飴の袋を開けた。
……………と、同時に沸いたあの自問自答。
「あのさ、総二郎」
「ん~?」
「私って、どう見える?」
「どうって?」
「そのまんまの意味」
「んー…」
別に向き合うわけでもなく、総二郎は町並みを見ていたし、私は欠けたりんご飴を指で触っていた。
ろくな返事なんて期待していなかった、けど。
「蒼は、蒼だろ」
今は、それで十分満たされた。
指でつまんだ欠片を、総二郎に向けた。
「ん、半分こ」
「いただきまーす」
なんのためらいもなく、私の指ごとぱくりと口に含んだ。
「帰ろっか」
「そだな~」
総二郎の背に身体を預け、私は思った。
これって恋なんだろうか?
それともただ、唯一の友人に対する私の執着なのか。
私にはわからない。
でも―――……………。
少なくても総二郎にとって、私は“特別枠”に入ってるってこと、自惚れてもいいだろうか。
私がこの心に気づくのは、そう遠くない未来だ。