color ~蒼の色~
受験生。
中学三年生になり、私は初めて総二郎と同じクラスになった。
どんな偶然か、平井君も同じクラスで、平井君も時々昼休みに現れるようになった。
「よぉ!日陰族!」
特に嫌味な言い方ではなく、この人が元来気さくな人だということを、私は知った。
私と総二郎は相変わらずで、いつものようにぼんやりと昼休みを過ごしていた。
「なぁ。お前ら高校どうすんの?」
目下、今の私もそれで悩んでいた。
私の成績は、よくて中の上。
ただ、正直なところを言うと、中の中、ギリギリというところ。
反面、総二郎はというと、普段から宿題や授業に対して、まるでやる気の欠片もないくせに、何故だか成績は悪くない…………むしろ、いいぐらい。
本人曰く、
「そこそこやってりゃ、怒られねーから」
だというけれど、そこそこでも出来てしまうのが不思議。
「俺、未定~」
「吉野は?」
「私、ギリギリD校受かるかどうかってとこ…」
そう、それが現実問題。
きっと高校は別になるだろうな―…。
「俺、D校すら無理かも…」
二人揃って、大きなため息。
「私、お父さんの店で働こうかな…」
「いいね!俺も雇ってくれ!」
半泣きで言う平井君と、この先の不安を隠しきれない私に、総二郎は言った。
「キミ達ね~、高校はいっとかないと後悔するって、AMラジオの誰それさんが言ってましたよ~」
「AMラジオって!お前はジジィか!!」
「誰それさんって…」
確かに父にも“高校は絶対出ろ!”って言われたばかり。
D校、頑張ってみようか…。
「勉強しなきゃ」
「俺も!吉野!目指せD校だ!」
一緒に受けよう!という平井君に、知ってる人が同じ高校に行くってことに、少しホッとした。
どんな偶然か、平井君も同じクラスで、平井君も時々昼休みに現れるようになった。
「よぉ!日陰族!」
特に嫌味な言い方ではなく、この人が元来気さくな人だということを、私は知った。
私と総二郎は相変わらずで、いつものようにぼんやりと昼休みを過ごしていた。
「なぁ。お前ら高校どうすんの?」
目下、今の私もそれで悩んでいた。
私の成績は、よくて中の上。
ただ、正直なところを言うと、中の中、ギリギリというところ。
反面、総二郎はというと、普段から宿題や授業に対して、まるでやる気の欠片もないくせに、何故だか成績は悪くない…………むしろ、いいぐらい。
本人曰く、
「そこそこやってりゃ、怒られねーから」
だというけれど、そこそこでも出来てしまうのが不思議。
「俺、未定~」
「吉野は?」
「私、ギリギリD校受かるかどうかってとこ…」
そう、それが現実問題。
きっと高校は別になるだろうな―…。
「俺、D校すら無理かも…」
二人揃って、大きなため息。
「私、お父さんの店で働こうかな…」
「いいね!俺も雇ってくれ!」
半泣きで言う平井君と、この先の不安を隠しきれない私に、総二郎は言った。
「キミ達ね~、高校はいっとかないと後悔するって、AMラジオの誰それさんが言ってましたよ~」
「AMラジオって!お前はジジィか!!」
「誰それさんって…」
確かに父にも“高校は絶対出ろ!”って言われたばかり。
D校、頑張ってみようか…。
「勉強しなきゃ」
「俺も!吉野!目指せD校だ!」
一緒に受けよう!という平井君に、知ってる人が同じ高校に行くってことに、少しホッとした。