color ~蒼の色~
~高校生編~
スタート。
高校へ入学し、はや1ヶ月が過ぎた頃。
正直、私はスタート出遅れたと思う。
未だにクラスに馴染めず、微妙に浮いた空気はいなめない。
かと言って、今までのように無視だのされるわけでもなく、みんなと一定の距離を保ち、付かず離れず、挨拶程度のクラスメイト。
決して、友達と呼べるものでもないと思う。
時々すれ違う平井君には、
「お前、相変わらず一人かよ…」
と、なんだかしんみりされる。
けれど、私にはお昼休みのひとときがある。
相も変わらず、私の手作り弁当を頬張っては、昼寝をする総二郎。
総二郎はというと、出遅れた私とは違い、むしろスタートダッシュに成功したものの、逆方向に走り出したように、それはそれは見事な“変人ぶり”を発揮していると知った。
私と同じクラスの子が、たまたま話しているのを聞いたとき、ため息が出たのを覚えてる。
「特進クラスの子、この前授業サボって、木登りしてたんだってー」
「何それ、意味わかんなーい!」
(……………またか)
この1ヶ月で、そういう話はちらほら聞いた。
もちろん本人にすれば、それにも立派な理由があるわけで、
「3本目の枝の先っちょに、心をくすぐるアレがね、俺を呼んでいた」
……………意味わからないのもいつものことで。
そんな生活にも慣れた頃、私のクラスでは、ちょっとした事件が起きていた。
正直、私はスタート出遅れたと思う。
未だにクラスに馴染めず、微妙に浮いた空気はいなめない。
かと言って、今までのように無視だのされるわけでもなく、みんなと一定の距離を保ち、付かず離れず、挨拶程度のクラスメイト。
決して、友達と呼べるものでもないと思う。
時々すれ違う平井君には、
「お前、相変わらず一人かよ…」
と、なんだかしんみりされる。
けれど、私にはお昼休みのひとときがある。
相も変わらず、私の手作り弁当を頬張っては、昼寝をする総二郎。
総二郎はというと、出遅れた私とは違い、むしろスタートダッシュに成功したものの、逆方向に走り出したように、それはそれは見事な“変人ぶり”を発揮していると知った。
私と同じクラスの子が、たまたま話しているのを聞いたとき、ため息が出たのを覚えてる。
「特進クラスの子、この前授業サボって、木登りしてたんだってー」
「何それ、意味わかんなーい!」
(……………またか)
この1ヶ月で、そういう話はちらほら聞いた。
もちろん本人にすれば、それにも立派な理由があるわけで、
「3本目の枝の先っちょに、心をくすぐるアレがね、俺を呼んでいた」
……………意味わからないのもいつものことで。
そんな生活にも慣れた頃、私のクラスでは、ちょっとした事件が起きていた。