color ~蒼の色~
「おはよう」
次の日、西尾さんに声をかければ、また驚いたように言葉に詰まり、
「お…はよ…」
と、小さく返事をした。
「これ、後で見つけて。ごめんね、黙って持って帰って」
自分なりに、つとめて明るく話し、赤ペンを差し出した。
私の手のものをしばらくじっと見つめているかと思うと、彼女は目に涙を溜めて、
「ありがとう、ごめんね…」
と言った。
(あぁ、私もこんな風だったかも…)
二言目には、ごめんって言ってたあの頃。
今だから思うのは、あれは私の精一杯のSOS。
「ねぇ、今日の放課後、時間ある?」
「…え?」
「一緒に勉強しない?今度の小テストの」
「…いいの?」
「うん、一緒にやろう」
「うん」
西尾さんの返事はか細かったけれど、顔には笑みが浮かんでいた。
私に何ができるだろうとか、考えない。
私には、経験がある。
私は彼女と“友達”になりたい。
心からそう思った。
次の日、西尾さんに声をかければ、また驚いたように言葉に詰まり、
「お…はよ…」
と、小さく返事をした。
「これ、後で見つけて。ごめんね、黙って持って帰って」
自分なりに、つとめて明るく話し、赤ペンを差し出した。
私の手のものをしばらくじっと見つめているかと思うと、彼女は目に涙を溜めて、
「ありがとう、ごめんね…」
と言った。
(あぁ、私もこんな風だったかも…)
二言目には、ごめんって言ってたあの頃。
今だから思うのは、あれは私の精一杯のSOS。
「ねぇ、今日の放課後、時間ある?」
「…え?」
「一緒に勉強しない?今度の小テストの」
「…いいの?」
「うん、一緒にやろう」
「うん」
西尾さんの返事はか細かったけれど、顔には笑みが浮かんでいた。
私に何ができるだろうとか、考えない。
私には、経験がある。
私は彼女と“友達”になりたい。
心からそう思った。