color ~蒼の色~
総二郎もきっと、何かに気づいたのだろう。
「西尾さんてさ、もしかして―…」
そう言いかけたけど、私はそれを遮った。
「総二郎」
「うん?」
「私、けっこう沸点低かったみたい」
「は?」
初めて気づいた。
私って結構、怒りの沸点低かったんだ。
不思議そうな顔をする総二郎と別れ、私は早足で教室に向かった。
まどかに確かめないと。
それに、これ書いた人見つけたら、はっきり言うんだ。
私はまどかの“友達”だからって。
教室で、ポツンと座るまどかに近づいた。
「まどか」
私が声をかけてきたことに驚いたのか、思わずまどかは顔をあげて私を見た。
「あお……吉野さん」
私はペンを取り出し、まどかの目の前で、先ほどの握りつぶした紙を広げた。
それを見たまどかは、ビクリッと身体を強張らせたけれど、私はお構いなしに、その紙に大きくバツ印を書いて、一言書き直した。
「今日、一緒に帰ろう!」
笑って大きな声で言った。
それはこれを聞いてる誰かへの、宣戦布告だったのかもしれない。
私がバツ印をつけた紙を、固まったまま見つめていたかと思うと、まどかはそれをギュッと握り、ボロボロ泣きながら私に言った。
「…っうん、うん!」
大きく書いたバツ印。
そこに書いた、“いやだ!”という私の気持ち。
まどかに伝わればいい、私は味方で、友達なんだってこと。
「西尾さんてさ、もしかして―…」
そう言いかけたけど、私はそれを遮った。
「総二郎」
「うん?」
「私、けっこう沸点低かったみたい」
「は?」
初めて気づいた。
私って結構、怒りの沸点低かったんだ。
不思議そうな顔をする総二郎と別れ、私は早足で教室に向かった。
まどかに確かめないと。
それに、これ書いた人見つけたら、はっきり言うんだ。
私はまどかの“友達”だからって。
教室で、ポツンと座るまどかに近づいた。
「まどか」
私が声をかけてきたことに驚いたのか、思わずまどかは顔をあげて私を見た。
「あお……吉野さん」
私はペンを取り出し、まどかの目の前で、先ほどの握りつぶした紙を広げた。
それを見たまどかは、ビクリッと身体を強張らせたけれど、私はお構いなしに、その紙に大きくバツ印を書いて、一言書き直した。
「今日、一緒に帰ろう!」
笑って大きな声で言った。
それはこれを聞いてる誰かへの、宣戦布告だったのかもしれない。
私がバツ印をつけた紙を、固まったまま見つめていたかと思うと、まどかはそれをギュッと握り、ボロボロ泣きながら私に言った。
「…っうん、うん!」
大きく書いたバツ印。
そこに書いた、“いやだ!”という私の気持ち。
まどかに伝わればいい、私は味方で、友達なんだってこと。