ロックンロールバンド
しばらくするとでかい黒人が三人入ってきた。
「ブラザー派手にやったな。」
古い友人で元米兵のウィルだった。
日本人と結婚していたので日本語もそこそこ喋れる。
他の二人も同じだ。
ウィルが、俺達にビールを渡した。
「身体が、暖まっただろう?今夜のロックンロールパーティー乾杯しよう。」
俺達は、ビールで乾杯した。
ライブハウスのスタッフが、呼びに来た。
ライブハウスのスタッフは、若い連中が居ないのに驚いていたが、金川が大丈夫だよと笑ってごまかした。
俺は、ウィル達に先に行くよと笑いかけ楽屋を出た。
若い連中の代わりに何かやらないといけないが、金川のギターに任せようと決めた。
俺は、終わったら脚の綺麗な彼女とラルクかエービーシーでもカラオケで歌うかなと考えた。
彼女の前ではラルクもエービーシーもロックンロールだねと囁く。
それは、彼女が好きだから嘘もつける。
それに、彼女の綺麗な脚は俺にとってのロックンロールだ。
あの若い男の汚ないタトウーよりもよほど俺にとってのロックンロールなのだ。
革ジャンを通路で脱ぐと隅に投げた。
今日こそはジャガーよりも俺の声とパフォーマンスでお客を踊らせてやる。
ロックンロールと言う悪魔が、俺の頭の中で叫んだ。
ロックンロール!!
おわり